ジェロントロジーに関する耳寄りな情報 第33回(ジェロ・マガ Vol.33 [2022年6月22日より一部抜粋)

このコーナーでは、ジェロントロジーに関連する、日々の生活や今後の生き方に役に立つ、あるいは「耳寄りな」情報をお届けいたします。

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今回は私の地元である福井県、その中でも禅の修行場として有名な「永平寺」が所在する永平寺町の取り組みをご紹介します。
人口減少や高齢化による地域交通に課題を抱える永平寺町は、令和2年10月から高齢者の移動課題解決を目的に、永平寺町MaaS(Mobility as a Service:サービスとしての移動)としてデマンド型交通「近助タクシー」を導入しました。

これは、利用者が電話で利用予約をすると、指定の時間に地域のドライバーが迎えにきて、自宅から目的地まで乗り換えなしで運んでくれるというものです。
利用料金は、大人1乗車300円、小中学生1乗車50円となっており、回数券と定期券も使えるため利用者数も順調に増加しています。
「近助タクシー」は、地域住民自らが運転することで、高齢者の外出促進や、近所同士の交流が活発になる点でも効果を発揮しています。

一方、地域住民自らが運転することで、安全基準や運行ルールが曖昧になりがちな部分があります。
このため、ドライバー基準、運行管理基準、車両機能基準、保険という視点で科学的な安全対策を組み込み、他地域でも安全性を担保した上で自家用有償旅客運送を実用化できるように検討を進めています。

人口減少の時代には、利用者や担い手が不足するため、新幹線や航空だけではなく、自宅からのファーストワンマイルが重要となります。
その解決策として、地域コミュニティは新しいインフラになり得ると感じますので、また良い取り組みがありましたらご紹介させていただきたく思います。